人の話を聞いて上手くコミュニケーションがとれていますか?
はーーい!!できていると思うわ!
と、心の中で頷く昔の私がいました。では、昔の私にとっての上手くコミュニケーションがとれていることって、どんな感じだったのでしょうか。
今日は、納豆の話を例えにして、以前の私の会話とコーチング的関わりを持った会話について少し考えてみたいと思います。
数年前の自分
実は、私は、以前全く人の話を聞いていませんでした。
もちろん、会話は耳から入って来ますが、自分の話で精一杯で相手の気持ちを推し計るのではなく、自分の意見を主張することが多くあったようです。
当時は、人の話を聞けていないなんて自分では気づくはずがありません。とにかく、自分の意見を言わないといけないと思い込んでいました。
これは、小さい頃に両親から、『ちゃんと聞いているの?』『わかったら返事をしなさい!』と言われ、『聞くこと・意見を言わないこと=従うこと』『意見を言わない人=意思のない人』という思い込みの方程式が出来上がっていました。
しかし、コーチングを学び出してから、少しずつ相手の話を聞くから耳を傾けるということに注力することで、人との言葉のキャッチボールが少しずつできるようになってきたことを実感しています。
生まれてから今までそれぞれの体験は千差万別であり、経験や家族とのコミュニケーションの中で様々な自分の中での当たり前が形成されています。なので、同じ景色を見ても感じ方や捉え方が様々なので、物事1つとっても考え方はそれぞれ違うようです。
なのに、一方的に自分の意見を押し付けても受け入れられるはずもなく、更に関係性が悪くなっていくばかりです。
キャッチボールが出来ている会話
「納豆が好きですか?」と言う質問に対してどんな会話ができるでしょうか。
例えば、相手の話をYes・Noで聞くとすれば、
自分:「納豆は好きですか?」
相手:「あまり好きではありません。」
自分:「そうなんですか…私、大好きなんですよ。特に〇〇の納豆が大好きで、毎朝食べています。それでね…」と自分のことを話し始めます。
これだと、自分の好きな納豆の話はするけれど、とりわけ好きでもない納豆の話をされた人にとっては、聞いていても興味関心は湧きませんよね。
では、相手の話に耳を傾ける聞き方はどんなものでしょうか?
自分:「納豆が好きですか?」
相手:「あまり好きではありません。」
自分:「そうなんですか、私は好きなんですが、なぜ嫌いなんですか?」←自分の意見も伝えるが、相手に興味を示す質問も織り交ぜる
相手:「実は小さい時に初めて食べて驚きました。あの臭いとねばねば感がダメなんです。」
自分:「そうだったんですね。確かに、癖がありますものね。他に嫌いなものがあるんですか?」←相手に共感し、さらに、会話を深める
相手:「そうですね、オクラとかもあまり好きじゃないですね。」
自分:「あ〜〜なるほど…ねばねばしたものがあまり好きじゃないんですね。」←自分の気づきを相手に伝える
相手:「そうなんですよ。実はね…」
と、相手と言葉のキャッチボールをしているかのように会話が弾みます。
この様に双方向の話だと、相手がどんなものが好きでそれにはどんな傾向があるのか、それによってお互いの共通点を見出すこともできます。
また、お互いの違いを知る事は、単純に納豆の好き嫌いと言う表面的な話ではなく、相手の感性だったり考え方を計り知ることができ、会話がより深くなりお互いの信頼関係が増していくわけです。
これは、納豆嫌いの相手に合わしているわけではありません。自分は納豆が好きであると言うことを述べた上で、二人の相違点には何が有るのかを探っていくのです。
コーチングは円滑なコミュニケーションツールである
この様に、今まで自分の話しかしていなかった自分に気づき始めると、なんて一方的で勿体なかったんだろうか?と思い始めるようになりました。
確かに、自分の主張はしましたが、相手を理解しようと質問を重ねなかったように思います。
これでは、相手の表面的な良さは理解できるのですが、相手の価値観に触れずに過ごして来たことは、相手を知るタイミングを逃して勿体なかったなぁと思っています。
今では、コーチング的関わりを持って人と接する事で人生の輪に少し奥行きができたんじゃないかと感じています。
とはいえ、自分に余裕がなくなるとサッサと自分の話だけをして、会話を進めてしまいますが(笑)それでも、以前の自分に気付けたことは、コーチングを学んで大きな収穫だったと思っています。