旅には、素晴らしい思い出が永遠に詰まっています。
皆さんは旅行というと、どんなことを思い出しますか?
今日は、私が一番心に残る二つの旅のうち、5歳の時に初めて親元を離れて行った福岡に居るおばちゃんの家でホームシックにかかった思い出です。初めて感じた、寂しいというなんとも言えない感情を今でも覚えています。
母親は九州福岡の生まれ、よく親戚のお姉ちゃんたちが京都観光ついでに私の家に訪ねて来てくれました。昔は、名古屋方面に集団就職することが多かったようで、いとこのお姉ちゃんもその1人でした。
なので、仕事の合間の休暇には、私の家に泊まって京都観光をお姉ちゃん達と一緒に楽しんだものでした。
幼稚園の年長ぐらいから、大好きなお姉ちゃんたちがと一緒に遊ぶのが楽しみでしたから、帰る時は悲しくて泣いた覚えがあります。
そこで、お姉ちゃんと一緒に旅行に行きたいとダダをこね、お姉ちゃんが実家に帰るときに一緒に連れて帰ってもらいました。
私は、小さな弟を抱えた母親に別れを告げ、京都駅からお姉ちゃんと一緒に新幹線に乗り込んだことを今でも鮮明に覚えています。
お姉ちゃんの実家は、福岡黒木という所です。
新幹線では、お姉ちゃんと友達とゲームをしながら車中を楽しんでいたのですが、日が暮れて、気がついたらそこは全く知らない家で、しかも全く知らない家族がいるではないですか!
「よー来たね^ ^みっちゃん」と言ってとても歓迎してくれたのですが、言葉は九州弁、都会に住んでいたので、初めての田舎は、あたりが真っ暗で、典型的な農家住宅の藁葺き屋根で天井が高く、なんだか急に家族が恋しくなって、ポロポロ、ポロポロ涙が出てきました。
しかし、あれだけ担架を切って、「お姉ちゃんと一緒に行く!」と家族に言ったものだから、ここで寂しいなんて言ったら恥ずかしいなぁと思い、咳き込んでみせて、「しんどい〜〜」と言いながら泣き始めました。
それを知ってか、おばちゃんたちは優しく抱きかかえ喉あめを私にくれました。それは、とろっとした水飴のような喉飴でとても美味しく、泣きながら甘い味を噛み締めていたのを覚えています。
これが、私が記憶している最初の旅でした。
お姉ちゃんの実家は、母親のお姉さんが嫁いだぶどう農園でした。
毎年夏に送られてくる巨峰は本当に大きくて甘く、都会で売っているぶどうとは比べ物にならないような美味しさです。それが、毎日大きなざるの上に、てんこ盛り食卓に並べられ、到着した夜は寂しくて泣いたけど、あっという間にその家族にも馴染み、楽しい毎日を過ごしたことを覚えています。
そして、ここから私にとって旅行と人生が切っても切れない世界になっていきました。
どれだけおいしいものを食べても、どれだけ素晴らしい高価なものを与えられても、旅に詰まった永遠の思い出に勝るものはないと考えているからです。
そして、もう一つの思い出は、最後の家族総出の旅です。
その話は、また次回に…