私たちは相手の為を思って良かれと思ってした行動や、その場しのぎの判断が、後々になると機能していないことがあるようです。
そんな時に考えなくてはいけないのが、『全体最適』です。
では、何となく全体最適という言葉の意味は判るけど、そんなこといつも意識していないなぁと感じる方もいるかもしれません。
では、どうして全体最適の思考が経営者やトップに立つ人ほど必要になるのかについて、考えてみたいと思います。
全体最適とは
経営においては、個々が素晴らしい成果をあげても、会社組織として利益が最大化にならない場合があります。
経営者は、組織として収益の最大化を目指すために、全体最適とはどのような状態なのか考える必要があります。
即ち、「組織全体として最適な状態」のことなのです。
懇親会での出来事
以前、100人程集まる立食パーティが開催されました。
それぞれ10人づつぐらいのテーブルを囲んで、会場は大盛り上がりです。
美味しい料理が振舞われ、バイキングの食事を食べる人、飲む人、話で盛り上がる人と楽しく過ごしていました。
するとある人が気を利かして、みんなが食べられるようにテーブルに色々な料理をお皿に盛ってきたのです。
確かに気が利いた行動なのですが、結局、持ってきた料理は、テーブルの上で手付かずになり残ってしまったのです。
そして、反対に本当に食べたい人が、お料理が無くなって、食べることが出来なくなってしまいました。
これを聞いて、皆さんはどう思われますか?
全体最適を目指す
先ほどの懇親会の場面だと、お皿にチームみんなの分をとってテーブルに持っていいったのは個人プレーです。
この人は、全く持って悪いことなどしていないのです。
むしろテーブルにいる相手のことを考えて動いていました。
しかし、結果的には食事が欲しい人のところに欲しい分だけ行き届かなくなり、最後には、テーブルの上にお料理が残ってしまいました。
今という場面を切り取ると、お料理をサーブしてあげるのは非常にスマートな方法かもしれませんが、全体最適という部分では、100人の立食パーティを視野に入れ、どうやったら出席者の全員の満足度合を見る必要があったのではないでしょうか。
課題に取り組む
実は、私達の小さな村では、消防団活動というのがありまして、地域のボランティアによって成り立っています。
しかし、近年では人口減少に伴い、ボランティアの消防団員が減少してきています。
ボランティア活動なので、確かに参加は強制されるものではありません。
しかし、どんなに人口が減少しても、火事が起これば無くてはならない存在です。
今は、何とかやっていますが、団員が定年を過ぎた頃には、交代の消防団員がおらず大変なことになるということが目に見えて分かってきています。
全体最適を意識して、
- 無理なく参加できる活動つくり
- 意識と使命感を持てる団体であること
- モチベーションを上げられるような啓蒙活動
が、存続の鍵を握っているのでは?とも思います。
人口が減少していくご時世です。
無理なく参加できる場所作りというのをもう一度考えつつ、上に立つ者の立場として取捨選択をすべきかとも思っています。
これからの課題
経営者に必要な視野とは、常に将来を見越して全体を見る鳥の目が必要で、そこには『全体最適』を目指すことが必要なんだと実感しました。
これは、毎日様々な出来事の選択の際に養われていく目です。
意識して、自分もそんな目を持ちたいと思っています。