私が取り組んでいる花作りという仕事は、一年を通じて作る作目が変わり、春には春の花、秋には秋の花と様々な種類があり、それによって作業行程も変わっています。
一年を通じて、やっとひと通りのことが学べるのですが、だからと言って、翌年も同じ天気ではないように、気候によっても、同じ作業でも、違ってくるのです。
なので、作業を手伝ってくれるスタッフはいますが、分業には程遠く、種まきから収穫までの工程と、それに伴う雑務、並びに経理・販売と、なんでも屋さんのように、一日のうちでさえも作業が淡々と変わるのです。
毎日違うことをするので、飽きることはないのですが、分業によって得られる効率化は限られているのが現状です。
効率化によって得られる3つのメリットとは、
- 個々の技能の向上
- 時間の節約
- 機械化による仕事の単純化
なのですが、
一日を振り返って、考えてみても、水やりに毎日費やしたことも、出荷作業に費やしたこともないのです。
相互の組み合わせで、1日が終わっており、一日の作業時間も日没までと限られています。
また、 農業を営むとわかるのですが、地主・経営者・労働者の3つの立場をになっている為、なんでも屋さんのようになっているのが現状です。
例えば、花が一番綺麗な時に出荷をするのが効率的ですが、注文などがあった場合、その商品を期日まで残しておかないといけなくなります。
すると、その間に花がすがってしまって、出荷の手間がかかってしまうこともあるのです。
出荷効率を考えると、一番良いタイミングで出荷するのが良いのですが、注文を受けた場合は、期日に責任を持って出荷しなけれがいけなく、物の様に棚にあげておく事ができず、生き物としての商品管理が必要になってくるわけです。
なので、労働者としていいタイミングで出荷したいと言う気持ちと、経営者として安定した出荷体制に持っていきたいと言う気持ちが、毎日のように交差しています。
これは、農業において謙虚にみられる傾向で、分業が難しく、マルチプレイヤーとして自分がどうあるべきなのかを、常に試されているような気がしてなりません。