昨夜、お酒を飲んで爆睡したガネーシャは、朝、機嫌よく起きてきた。
「なんかないの?」
「あのね〜、朝はめっちゃ忙しいの!
邪魔しんといて〜。」
ほんまに、どいつもこいつも、この忙しい朝にしょうもない用事ばっかり言いやがって〜。と切れそうになった。
そうなんです。主婦の朝は忙しい!
自分も仕事に行く準備を済ませなければいけないし、子供たちのお弁当作り、朝食準備から片付け、送り迎え、などなど…
戦争のようなキッチンに、ガネーシャは割り込んできた。
「時間管理の基本は、朝、一番に重要度の高いタスクを始める!やんか〜。
あんた、ドラッガーちゃんやコービーちゃんがが口をすっぱーくして言ってるのになんでできひんの!
わしゃ、不思議でたまらんわ!あれだけ、本読んでいるのにな〜。
なんのための教えや〜
で、なんかないの? わしのメシ!」
はぁ???
「あのね、ごはん要求するんやったら、タスクがどうのこうの言うのは止めてくれへん?!
私の貴重な時間を奪っているのは、君や〜‼︎」
そう、怒鳴ると、ガネーシャ君はおもむろに風呂敷を広げ、
「冗談社から本の出版依頼が来てんねん。わし、多忙な作家先生やから、そろそろ帰るわ〜」
い、いや〜。
ホンマ、冗談が通じんやっちゃな〜。と、広げかけた風呂敷を取り上げた。
「まぁ、まぁ、ガネちゃん。ハイ!」
今度は、おもむろにドーナッツを出してみた。
「分かればいいにゃ、わかれば!」
と、モグモグ、ドーナッツを食べ始めた。そして、
「時間がない!と、イライラしても仕方ないいんやで〜。皆んな、一日の時間は平等に与えられている。
それを、有効に使うも、使わへんも自分次第や。
わしの事、怒鳴ったけど、いつ何時でも、想定外の事は起こる。そんな時にも、冷静に判断することが大事やし、えらいことが起きても、あ〜やってきよったわ!いらっしゃ〜い。ぐらいの心構えが必要やね〜。
はい、お代わり!」とドーナッツのお皿を私に差し出した。
「あのね〜」
すると、ガネーシャは、かぶせるように
「お代わり!想定外のことも、ニコニコ対応するって、教えたったやん」
「わかった、わかった、、、で、今日の教えは?」と、問いかけると、
「それがやね〜…
昨夜、わし、通信教育ライザップー!って叫んでいたと思うんやけど、なんやった?
随分、飲んでいたので、あんまり記憶がないんやけど…」
やば〜…私はニコニコ顔を引きつらせながら、(このまま、記憶を蘇らせると走らされそうなので、)
「さ〜、コマーシャルちゃうの?初めて、聞いたわ〜。」と、さらっとドーナッツを3個お皿にのせた。
ガネーシャは、いつになく静かだった…
モグモグ