時間を区切ることは、時間を管理する上でとても大事なことは昨日も述べましたが、もう一つ大事なことは、仕事の後始末をきまりよくすることだそうです。
羽仁もと子著作集
仕事のくぎりくぎりをきちんとするほかに、いま一つ大事なことは、仕事の後始末をはっきりときまりよくすることです。
たとえば朝起きて顔を洗う。顔を洗うという一つの仕事をはじめたら、使ったあとの歯ブラシも石鹸箱も金だらいも、十分きれいして、置くべきところに正しく置くこと、手拭いをかけるのでもよくひろげて正しくかけること。そうして次の仕事にうつらなければいけません。
ご飯の後かたずけをするにしても、まず食堂から食器類を台所にはこび、食卓をよくふいて、食堂がきれいになったところで、台所に出してある洗い物にかかるように。料理をするにしても、材料を切って鍋に入れたら、俎板や包丁を始末して次の仕事にうつるようにすれば、台所は料理をしている間でもきれいであるし、後片付けも早くすみます。
お客さまを送り出したら、すぐと座敷に出したものを片付けて、お客についての用事に、きっぱりとくぎりをつけて、それから次の仕事にかかるのです。
仕事のくぎりのことは、ことによく頭にいれて、日々それぞれの場合にあたって、十分に実行しなければならないことです。
ちゃんと掃除のできた部屋で、誰かが新聞をみる。そうして片付けずにいってしまう。子供がおもちゃを持ってあそぶ。また片付けずに庭に出てしまう。そういうことで、せっかく部屋を掃除してもきれいなのはそのときだけで、すぐに乱れてしまうのです。ついすべてのものをそれぞれの置き場所まで持っていかずに、床の間などにあれもこれもと重ねておくと、さがしものを多くするもとになります。
子供が小さい頃、「ほら〜、遊んだらちゃんと片付けなさい〜」と子供を叱った記憶もしくは、叱られた記憶はありませんか?
子供が大きくなり、又は自分が大人になると、誰も言ってくれなくなりました。
だって、これは自己管理ですから、いちいち、口にする事でもないですし、公共な場ではなんとか取り繕っていれば、その場はしのげることができます。
でも、子供に叱っていた私はどうだっただろう…
子育てと仕事、忙しいを言い訳に出来ていなかったのではなかろうか…
いや…今でも、出来ていません。
家事でなくても、仕事でも同じことが言えるのではないでしょうか?
すべきことは集中して取り組む。終わったら、一旦片付け、仕事にキリをつける。これは、「終わりましたよ」の自分へのサイン。
休憩、コーヒーブレイクは自分へのご褒美です。
彼女の一文には、
時間の一番やかましい英国人は、一番悠々としてお茶を飲んだり運動をしたりしています。
非常にせわしそうなのは、むやみに仕事を多くするからで、決して時間を守るからというのではありません。よい予定というのは私たちを緊張させ、また私たちに本当の余裕を与えます。
と、あります。
時間を管理しながら、豊かに暮らす。
それこそが、本当の時間管理ではないでしょうか?