数人のコーチたちとパーソナルファンデーションを勉強しながら、自分の生活に取り入れるために自分ごとに置き換えて言語化していく勉強会があるのですが、そこで気づいたことがあります。
今日は、その気づきを言語化して皆さんと共有していこうと思います。
実は、私の中に、「必要とされたい」というニーズがあります。
とはいえ、それってどうゆうことなのか?を考えた時に、そっか?!こうやって、自分の気づきをブログなどで発信していくことで、自分の学びにもなりますし、興味がある人にとっては、刺激になると思ったからです。
今日は、自分のニーズを満たしてそれをどう継続させていくかにつて書いてみました。
自分のニーズを満たすということ
トーマス・J・レナード(コーチングの創始者の一人)は、自分の欲求に気づき、それを日々満たすことに取り組めば、自分がより充実し、結果として人のためや社会貢献につながると提唱しました。
これは決して自己中心的な考え方ではありません。むしろ、自分の中で満たされていない欲求を満たすことで心に余裕が生まれ、より豊かで楽しい暮らしができるようになるのです。
「ニーズ」とは何か
トーマスが言う「ニーズ(Needs)」とは、単なる「欲しい」「必要だ」という表面的な欲求ではありません。それは、自分の中にある欠けている感覚、つまり「満たされていないために外から何かを求めてしまう状態」のことです。
たとえば:
• 「認められたい」→ 承認のニーズ
• 「安心したい」→ 安全のニーズ
• 「愛されたい」→ 愛情のニーズ
このようなニーズが強いと、人はその欠乏を埋めるために行動しがちになり、本来の自由さや創造性が制限されてしまいます。
私にとってのニーズ:「快適さ」
私の中には「快適さ」というニーズがあります。快適でないと、しっくりこないというか、頭の中がざわざわして落ち着いて暮らせない感じになるのです。
たとえば、現在のビジネスホテル。新しいホテルはシンプルですが、とても機能的ですよね。これが私にとっての「快適さ」です。
一方、高級旅館はどうでしょう。
ゴージャスな椅子やソファーがあって見た目は良いのですが、充電用のコンセントが少なかったり、ベッド横にコンセントがなくて煩わしかったり。ちょっと洗濯したいときにコインランドリーが併設されていなかったり。
調度品は置いてあるけれど、なんとなく邪魔で壊しそうだったり。
そんな高級ホテルよりも、スタイリッシュなビジネスホテルの方が私にとっては快適なのです。
このように、人によって快適さは変わります。でも、自分にとっての快適さをあらかじめ知っておくことで、いざ予約するときにそういったことを念頭に置いて選ぶことができます。すると、その旅自体がとても快適に過ごせるのです。
逆に、この快適さに意識を向けていなかったら、なんとなく旅全体が色あせた感じになってしまいます。
自分の中での「許せない部分」を知っておくことで、より自分らしくあり続けられるということなんですね。
「自動スプリンクラーシステム」を作る
私の場合、「快適さ」というニーズを絶えず満たしておくための「自動スプリンクラーシステム」を自分で作っておかなければならない、ということです。
要するに、何も考えずとも、勝手に物や人から自分の欲求を満たしてもらえるようにするわけです。これが満たされないと、めちゃくちゃ腹立たしくなってイライラすることもあるんです。
炭酸水事件
これは数ヶ月前の出来事です。
夏の真っ盛り、私はよく炭酸水を飲んでいました。そのたびになくなってはスーパーで1箱買って帰るのですが、もともと田舎でしたので、買い物は週に1〜2回しか行きません。水を買って食料を買うと、もうそれだけでカートはいっぱいになって大変なわけです。
初めの頃はスーパーで買い物のついでに「いくつか買ってきたらいいや」と気楽に始めていたのですが、それが夏の暑さでかなり回数が増してくると、負担に感じていたのです。
ちょうど夏にお客さんが来られたとき、私は朝一番にお客様用の食事を出すために、スーパーに買い物に行き、飲み物用にと炭酸水を買っていきました。
カートはてんこ盛りになり、本当にくたくたの状態で帰ってきて、即座にお料理を作り始めました。
この光景は私にとって「てんてこまい」でした。
そんなとき、主人が自分だけスーパーに行って、お酒を買ってきてひょこひょこと帰ってきたわけです。
その途端、私はブチ切れたのです。
「私はこんなに大変な目に合っているのに、あなたはお酒だけを買いにスーパーにお気楽に行って!なんだったら、炭酸水ぐらい買ってきてくれたらよかったのに!」
その瞬間、怒りが爆発しました。
主人の立場からすると、藪から棒に私が怒り出したから、鳩が豆鉄砲を食らったようにびっくりしていましたが、私は「今度からお酒を買いに行くときは、私に声をかけてほしい」とリクエストしました。
それ以降、私は重たい炭酸水を1箱買うことはありません。
そろそろ炭酸水がなくなったなぁと思う頃には、前もって「お水を買ってきて」とリクエストすることで、気がついたら買ってきてくれるようになりました。
あのとき、このリクエストがなかったら、私はそれ以降も被害者意識にさいなまれていたに違いありません。
このように、「自動スプリンクラーシステム」というのは、誰かにリクエストしたり、物を活用して、自分がより快適になるようにシステムを作ることです。
ルンバという味方
最近では、キッチンの掃除はいつもルンバがやってくれていますが、壊れたときは本当に「ルンバってありがたいなぁ」って思ったものでした。
実はこれも自動スプリンクラーシステムで、ルンバを購入することで、私が気になっている「キッチンをきれいにしたい、快適に過ごしたい」というニーズに機械を投入したことで、いつもある程度の綺麗さが保たれ、担保されているということです。
以前は「○○できたらいいなぁ」とか「本当に腹が立つわ」と一人でもんもんと抱えていたことが、相手にリクエストしたり、他のもので代用できることを考えたりすることで、ずいぶん自分の生活の中で快適さが構築されるようになりました。
自分のニーズを自分で満たす
トーマスが「セルフィッシュ(Selfish)であれ」と言ったのは、「わがままに生きろ」という意味ではありません。彼の考えはこうです。
自分のニーズを自覚し、満たす責任を自分で持つことで、他人に依存せず、自由で創造的な人生を送れるようになる。
つまり、セルフィッシュ(自己充足的)である=自分のニーズを自分で満たしている状態、です。
この状態になると、人は他人に「満たしてもらおう」とせず、自然に周囲に貢献できるようになります。
彼はこれを「Personal Foundation(パーソナルファウンデーション)」の中核に位置づけていました。
シンプルにし続けること
さらに、この自動スプリンクラーシステムをよくしていくためにはどんなことができるのか、というのが今日の課題でした。
あまり難しく考えずに、これをもうちょっと抽象的に考えたらどういうことなのかなと、ほんの数分考えたとき、ふと思ったのが「シンプルにし続ける」ということなんじゃないかなと思いました。
快適さというのは、私にとって自分の欲求が贅沢に満たされるというよりも、最低限満たされることが継続される方が自分のニーズに合っているように思います。
これは高級旅館か最新型のビジネスホテルか、どちらが良いかというのが良い例ですね。
確かに、高級で贅沢な非日常を味わいたい気持ちもありますが、ちょっとした不便さも感じています。なのでどちらかといえば、最新型のビジネスホテルの方が私にとっては心地よいように思います。
これは多分、自分の中の「シンプルにし続ける」ということと同じように感じています。
そういえば、最近では、あまり装飾のついた服も着ていないなぁと思うことが多くなりました。
やはり、着心地の良いシンプルなものを、無意識に手に取っているようです。
そんなことを思いつつ、これから寒くなってきつつある秋から冬への移行は、「シンプルに、そして心地よく」がテーマなんだなぁと思い、衣替えを済ませました。
とはいえ、シンプルにといって洋服を全部捨てることもできず、ここは、自分の中で生存の欲求もあって、もったいないとか、なんぞの時のためにと残した部分もあります。
人と自分とはそれぞれにニーズが違うので、その辺も理解しつつ認めてあげることも大事なんだなぁと感じています。
自分のニーズを知り、自分で満たす。
それは決してわがままではなく、自分らしく生きるための土台なのです。
そして、自分が満たされていれば、自然と周りにも優しくなれる。
そんな生き方を、私はこれからも大切にしていきたいと思います。
