「あなたの本当にやりたいことは何ですか?」
そう聞かれたとき、頭で考える答えと心で感じる答えは、実は違うことが多いようです。
頭では「キャリアアップしたい」「健康になりたい」と答えても、心の奥底では全く違うことを望んでいるかもしれません。
最近、皆さんの中に、ちょっと悔しいとか、なんだか妙に気になるという感覚を持ったことはありませんか?
忙しかったり物理的に無理だったりすると、気づかないふりをしてみたり、スルーしてしまったり、その感情に蓋をすることが往々にしてあります。
でも実は、この日常の微細な感情こそが、私たちの本当の欲求を教えてくれる最も確実なサインなのです。
「羨ましさ」という感情の正体
先日、私にとって感情が揺れるな出来事がありました。
実は今年、どうしても行きたい山があったのですが、自分の体力のなさと一人で行くという不安から、いま一歩踏み込めずにいました。
友人も誘ったのですが、山小屋が人気のため宿泊先と友人の都合が合わず、先送りになっていたのです。
ところが数日前、別の友人がその山を登ったという投稿がFacebookから流れてきました。
その瞬間、「あぁ、行きたいなぁ」という衝動に駆られている自分をはっきりと認識したのです。
なんとなく不安だとか心配だとかいったことがつきまとっていたため、なんとなく行きたいなぁという感情を「まあまあ」となでなでしていたのですが、この沸き起こる羨ましいという感覚に、自分のことながらも持て余していました。
更に追い討ちをかけたのが、同じような投稿をまた目にしたことです。
よく「気になるとそのようなことがどんどん目に入ってくる」と言われますが、見た途端「してやられた!」という感じでした。
この体験で気づいたのは、「羨ましさ」という感情に隠れたいたものは、「本当はそれがしたい」という心の声そのものだということです。
もしこれが全く興味のないこと、例えばピアノのコンクールに出るとか、バレーの試合に出るなどの投稿が流れてきても、「あぁ、すごいね!」という気持ちはあっても、このどろっとした苦々しい砂を噛んだような気持ちにはならなかったでしょう。
本当のやりたいことを見つける3つのサイン
この体験を通して、本当にやりたいことを見つけるための3つのサインに気づきました。
- 羨ましさ・悔しさ他人の成功や行動に対して、単純な称賛ではなく、どこか苦々しい感情を抱くとき。これは「自分もそうしたい」という心の声です。
- 諦めの理由を並べたくなる「でも忙しい」「お金がない」「時間がない」
こうした言い訳が次々と浮かぶのは、実は「本当はやりたい」証拠なのかもしれません。 - 繰り返し頭に浮かぶ忘れようとしても何度も思い出してしまう。意識から排除しようとしても、ふとした瞬間に頭をよぎる。これも強いサインです。
感情を深く味わってみる
お風呂に入りながら、この羨ましさという感情をじっくりと味わってみました。
すると、自分が山頂風景を楽しんでいる映像がイメージできるのに、実際体験できてない歯痒い思いが押し寄せてきて、「あぁ、行きたい!」
行かなかったら後悔すると感じたのです。
その奥には、いくつかの要因が隠れていました。
- 春から少しずつ近くの山に登って体力をつけていたのに、この暑さでモチベーションが下がっていたこと。
- 7月初旬の立山で、強風のため昨年に引き続き2回目の登頂断念となったこと。
- 2000m以上の山は夏という期間限定で、登るチャンスがなかなかないこと。
- 年々落ちていく体力に歯止めが効かず、「また今度」「来年」という気持ちが持てない感じがすること。
感情にすぐ蓋をせず、一度立ち止まって味わってみる。この作業によって、表面的な不安や心配の奥にある、本当の動機が見えてきます。
「ちょっと頑張れば届く」ゾーンの重要性
ここで重要なのは、完全に無理なことには羨ましさを感じないということです。本当にやりたいことは、たいてい「努力すれば可能な範囲」にあります。
- ちょっと頑張れば届くようなこと
- 本当はやりたかったけど、無理と諦めていたこと
- 心からやりたいと望んでいること
こうした心の欲求に対してちゃんと向き合って、満たしてあげる作業は、感覚を磨く大切なことだと思います。
このゾーンにある欲求こそが、人生を動かす原動力になるのです。
発見から行動へ:「いつか」を「今」に変える
自分の感情をキャッチすることは言葉では簡単なようですが、じっくりと味わうことで、その先にある自分にとって大切なものが見えてきます。そして本当の欲求が分かったとき、不思議と行動力も湧いてきます。
今回の登山も、「行きたいなぁ」と思っていた場所でした。
でもやっぱり「いつか」はないのです。だから、行けるようにスケジュールを調整して行くことにしました。
その時の行動の早いこと、早いこと!!笑
あなたも試してみませんか?「本当にやりたいこと発見ワーク」
- 最近「羨ましい」と少し砂を噛んだように苦い感情を感じたことなかったですか?
- 「なぜ羨ましいのか」を深掘りしてみてください
- 「もし制約がなかったら本当はどうしたい?」と自分に問いかけてみてください
自分にとって大切なものをちゃんとキャッチして味わう。
更に、それに対してどう取り扱うのか。
感情という羅針盤を使って、あなたの本当にやりたいことを見つけてみてください。
きっと、それは通り一遍の誰もが思う願いではなく、具体的で思いもよらない発見があるはずです。