60歳になって今までに気にならなかった日本年金機構からのお知らせが、妙に信憑性を帯びてくるように感じます。
今までは、「年金ねー。ほんまにもらえるんだろか?」なんて考えていましたが、実際にこの歳になると「後5年かぁ」としみじみ思う今日この頃です。
お誕生日の時に、年金についてブログを書いたのですが、「自営業だったらそんな発想もあるけど、会社員ならなかなかならないなぁ」と友人にフィードバックをもらい、なんとなく、そのブログの更新を躊躇していました。
でも、よくよく考えてみると、私の立場と友人の立場は違うし、それを変えることもできない訳です。
この日記は私の徒然なるままにだから、まぁ、そんな考えもあるんだなぁと読みながら受け流していただければと思います。
それは、私にとって新たなる視点でもありました。
65歳は特別な年齢
お誕生日を迎えた日でさえも、特に何も変わらない日常でした。
少し、誰かにお祝いしてもらいたくなって、65歳になる友人に連絡しました。その友達とは時々温泉旅行を楽しんでいる仲間です。
以前、その友人の還暦祝いをしたことがあって、「まぁ、私もその年齢になったわ」と報告したところ、友人から「まぁ、おめでとう。でも還暦ってそう人生が変わったなぁって感じじゃなかったわ」とのこと。
「そやけど、65歳は違うでー。」
「えっ、そうなん??なんでなん?」と質問すると、
「年金貰えるからお小遣い倍増やん!この歳になるとそれってええもんやなぁ」と感じているとのことでした。
私にとっては、年金貰える年齢と言えば、既に仕事もリタイアして慎ましやかに年金で細々と生活するというイメージでしたが、友達はすんごいエンジョイしている感じだったのです。
年金を貰うことで更に一変した友人
実は、友人には興味深い経歴がありました。
元々、ご主人が中小企業の社長で、嫁いだ当初は一緒に手伝っていたそうです。しかし、子育てに追われて夫婦が同じ会社にいることで夫婦関係さえもストレスになる状態だったとか。
そこで、友人はご主人の会社を退き、子供が手を離れたのを機に自分で仕事を立ち上げ、10年ほど経営したものの、時代の流れには逆らえず、自分で立ち上げた店をたたむことになりました。
その後、精神的にも身体的にも社会に出た方が良いと考え、58歳ぐらいでスーパーのレジのアルバイトを始めました。そこから社員になり、実母の介護をするまでは社員として、65歳の今はパートタイマーとして働いています。
始めは「会社の社長夫人が?!」と、近所の人に後ろ指を指されることで、ご主人に迷惑をかけると思い、目立たないよう少し遠くのスーパーで分からないように働き始めたようです。
今では、スーパーでの仕事を「高校生や大学生と触れ合って、若いエキスを吸って、規則正しい生活が送れ、かつ、お給料が貰える。老人ホーム一歩手前のリハビリのようだわ」と楽しく話しています。
お給料はパートタイマーなので月に7万円弱ぐらいでしょうか。しかし、生活費はご主人から頂けるので、これは自分のお小遣いのような感じなのだそうです。
その生活は、年金を貰うことで更に一変しました。
レジ打ちのパートを今も続けられているので、65歳から貰える年金はそれにプラスアルファとなったのです。
つまり、今のスタイルを変えなければ、年金が上乗せされてお小遣いは倍以上に増えてるということです。かつ、子供もそれぞれに独立して収入があるので、生活費は夫婦2人に縮小されたとのことでした。
立場を変えれば考え方も変わる
これは、まさに社長夫人というある意味ブランドのようなものを手放して、自分らしい道を歩んだ結果なのでしょう。
とはいえ、それまで、自分が会社を立ち上げてたたむ迄の間、会社員ではないので、大変なこともあったようです。
ほんま、経営者は儲からなければ、ただ働き同然やとよく言ってました。
なので、今は出勤すればお金が貰えるというお気楽さが、彼女の年齢には合ってるようです。
彼女は、会社が許す限り働きたいと考えているようで、現在そのレジの仕事は75歳まで雇用可能とのこと。「頑張るわ〜」と笑顔で話していました。
私たちはついつい、先が見えない将来に対して悲観しがちで、新しい一歩を踏み出すことを躊躇してしまいます。
私も60歳になって「何も変わらない、いえ、むしろこうやって歳を取るんだ」と足踏みしている自分に対して、このようなロールモデルがいると、65歳になるのも悪くはないなと感じています。
65歳になれば、年金と今の仕事を合わせて、より豊かな生活ができるのだと、少し光が見えたような気がします。
とはいえ、後5年。
カメのあゆみかもしれませんが、一歩一歩、確実に前に進んでいければと思います。
焦らず、でも着実に。
それが私の選んだ道になりそうです。