今日はいよいよ熊野古道への出発日。
奈良の自宅から紀伊田辺まで車を走らせ前日入りした私は、朝から出発地点の滝尻王子へと向かいました。
地名の文字に「王子」と記載されているのですが、これは熊野の神様の御子神を御祀りした場所のことで、熊野古道には転々と現在では95社が、熊野古道沿いに熊野三山への遥拝所的役割を持って道標のように存在しています。
不安なまま熊野古道へ
ここが2泊3日の旅のスタート地点。
最低限の荷物だけをリュックに詰め込み、熊野本宮大社を目指します。行程は二日間で38キロの山道を歩くという計画です。
今日は、滝尻王子から今日の宿泊場所である近露王子までの14キロ。予定コースタイムは7時間半。本当に辿り着けるのか、不安でいっぱいでした。
というのも、今年は雨で計画していた長時間の登山は全く経験出来ていません、自分が現在どこまでの体力があるか全く予測が付かなかったのです。
傘が大活躍
朝、滝尻バス停から8時にスタート。あいにくの雨模様でしたが、車に積んであった傘をストック代わりに持っていくことにしました。これが後々功を奏すことになるとは、この時は知る由もありませんでした。
出発地点から見晴台まで約40分、急登が続き一気に汗が噴き出て心拍数が上がりました。
まだスタート地点なので根を上げるわけにはいきません。緊張の中、コースタイムは順調に縮まっていきました。
歩き始めて1時間ほどしたころ、雨がしとしとと降り始めました。カッパは持っていたものの、秋とはいえ今日はいつもより蒸し暑い日でしたからカッパを着ようなんて気にもなりません。そこで、持ってきた傘が大活躍。この後、一日中降り続く雨の中、傘をさしながら歩くことになりました。
休憩もなかなかできず、ようやく見つけたのが高原熊野神社。参拝を兼ねてここの境内で一度休憩を取ることができました。心地よい疲労感とコースタイムが縮まっているのを確認し、ほっと一息。
振り続く土砂降りの雨
しかし、それからが本当に大変でした。
振り続く土砂降りの雨。
傘をさしながら歩く道は急な坂ではないものの、水が滝のように流れ出し、まるで沢下りのよう。ランチタイムを取るにも途中屋根がある休憩場所がなく、とにかく国道と古道が交差する道の駅までを目標に淡々と歩き続けました。
振り向きもせず、ただひたすらに足を進めた結果、予定よりかなり早く道の駅に到着。
3時間、休憩も取らずに歩き続けたため、疲労困憊でした。
ようやくお昼ご飯にありつけ、ほっと一息つくことができました。
気がつけば、もう宿のある近露王子は目の前。
夕方に到着する予定が、結局2時という早い時間に宿に到着してしまいました。宿の方もびっくりされていました。14キロの道のりを休憩を抜くと5時間ぐらいで歩いたことになります。
宿で振り返る
到着後は、汗と雨でぐちゃぐちゃになった服を脱ぎ、すぐにお風呂に入り、やっとほっと一息つくことができました。
一番うれしかったのは、宿で洗濯物をしてもらえたことです。汗と雨で全部びしょ濡れだった服を全て洗濯してもらい、気分もリフレッシュできました。
振り返ってみると、熊野古道は遠い!
あいにくの雨模様でしたが、車に積んであった傘がストック代わりになり、大いに役立ちました。途中、ここは沢下りか!と思うほどの雨の中、サワガニまで古道の真ん中で何度も見つけて思わず笑ってしまいました。
急登と言われる所は初めの30分くらいで、後は緩やかに登ったり降ったりの繰り返し。
でも、雨のせいかとにかく長かった! 汗なのか雨なのか分からないくらい、顔も頭もグタグタになりました。
雨のせいで休憩もままならなかったので、気分的に疲労困憊でしたが、雨のおかげでかなり早く着くことができました。
まさに、お尻に火をつけられないと動かない私です!
今日の歩数は3万歩越え。コースタイムは滝尻王子から近露王子まで休憩を挟んで6時間半くらいで到着。
予定より早く到着したことにホッとしながら、畳の上でごろんと寝転がりながら足をなぎ出していました。
早く着いたことで、足も十分休息できたようですが、明日は更に距離が増えます。
どうなることやら…
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近露王子にて民泊『月の家』にて