朝、何気なくSNSを眺めていた私の目に飛び込んできたのは、2025年大阪万博の1日前売りチケット割引販売終了(2024年10月6日)のお知らせ。「もうそんな時期なのか」と、ふと時の流れの速さに息をのむ。
関西のおばちゃんとしては、割引やら期間限定にめっぽう弱い。大慌てで予約した。
大阪万博
コロナ禍の只中で決まった大阪万博。あの頃は、この万博が関西の経済活性化の起爆剤になればと、淡い期待を抱いていた。そして気づけば、あれから5年。世界は大きく変わった。
マスクなしで海外旅行に行ける日々が戻ってきた一方で、物価上昇の波は止まらない。あの頃の「日常」が、今では懐かしく感じられる。
チケットの予約をしながら、私の記憶は55年前にタイムスリップする。
5歳の私が初めて訪れた1970年の大阪万博。太陽の塔の下で、おじいちゃんに手を繋がれ、弟が腕に抱かれている家族写真が、今でも鮮明に蘇る。
ミニスカートのパビリオンガール、誇らしげに展示されるMADE IN JAPANの製品、そして当時は夢のまた夢だった月や宇宙の展示。
「世界はこんなに広く、日本は凄いんだ」と、幼心に刻まれた衝撃は今も鮮やかだ。
ネット社会は妙に面倒くさい
そう言えば、迷子にならないようにって、母が私のコートの裏に名前と住所を縫い付けてくれたのよね。今どきの親なら、GPSでも持たせそうだわ。ま、子どもにスマホ持たせてるから、GPSなんて必要ないか。
時代は変わったなぁ。あの頃の親の愛情が、温かく胸に蘇る。
そして今、55年の時を経て、再び大阪万博のチケットを手に入れた。ネットでの予約は、あの頃の長蛇の列とは比べものにならないほど便利になった。でも、デジタルに不慣れな人々のことを思うと、一抹の不安も覚える。
実際、チケットを予約するには「お客様のID」だの「セキュリティコード」だの。なんだか、未来に行くのに、妙に面倒くさい。
55年ぶりの「未来」への切符
娘は万博を知らない。「どんなものなの?」と聞いてくる姿に、55年前の自分を重ねる。
半年間の開催期間、もう一度行ってみよう。あの頃の家族との思い出が、優しく心を弾ませた。
2025年の大阪万博。
時代は変わり、技術は進歩した。人々を繋ぎ、未来への希望を紡ぐ万博の魔法は、私たちの未来に何を見せてくれるんだろうか。