セールスマンが言った一言「めっちゃ、儲かってますやん」
先日、花の出荷作業中にセールスマンがハウスに入ってきて世間話をし始めました。
よくありがちな天気や仕事内容など、ごく一般的な会話です。
そのなかで、私たちがハウスで野菜も作っていることを知り、目をキョロキョロさせながら、「レタスってめっちゃ、儲かってるんと違うんですか?」との質問を受けました。
確かにここ近日のスーパーでの売価は、目に余るほどの価格です。
レタス一個485円?!信じられん!と思いながら、スーパーの生鮮売り場を通り抜けたことを思いだしました。
葉物野菜が全く成長しない
本来、9月から10月にかけては、夏の暑さから解放されたかのように葉物野菜が、グンと大きく成長する時期なのです。
しかし、今年の9月中頃からの長雨と曇り空で、野菜が一向に大きくならないのです。
いつもでしたら、どのスーパーでも、商品の品切れがないように仕入をされています。
これは、産地リレーと言いって、夏から秋にかけては、高原といわれる高冷地から、寒くなれば、南の九州方面に向かって、野菜を各産地で繋ぎながら仕入れていく仕組みですが、全国的な天候不良で特に葉物野菜が、手に入りにくくなっているのです。
天候不順で野菜の値段は高値で取り引きされるが、実際は儲かっているわけではない
さて、ここで問題の価格になってきます。
皆さんは、これだけ野菜が高くなっているから、生産者はすごく儲かっていると思われるでしょうか?
確かに、契約ではない限り、市場はいつもの倍近くの値段が付くこともあります。
しかし、そもそも生産者さんの野菜は非常に出来にくくなっていますから、どれだけ高い値段で取り引きされていても、収量が落ちているので儲かるということはないのです。
一個あたりの単価にとらわれすぎて、総数で見てみれば売り上げはいつもより落ちていた、ということが度々あります。
ましてや農業は自然相手ですから、予期することの出来ない天候不良等のリスクを負わなければなりません。
このように、需要と供給のバランスが天候のために極端に崩れてしまっただけで、生産者さんも売りたい!でも野菜が大きくならない!というジレンマに陥っています。
そして、市況は跳ね上がり、消費者の手元に届く時、高くて買えない!ということになってしまうのです。
高価格の野菜は、消費者にとっても、生産者にとっても、誰も得をしているわけではないのです。
負の連鎖ですね。
旬の野菜を食べよう
しかし、自然は、容赦なく平等にやってくるのです、上手く乗り越えるためには、その時取れた旬の野菜を食べるのが栄養バランス、価格共に優れていることを忘れてはいけません。
特に、最近では輸入や輸送便の発達でどの野菜が旬であるのかさえ、わからなくなってきています。
例えば、当たり前のようスーパーの店頭に並ぶキュウリですが、本来なら夏の暑い時期にできる野菜だということを忘れないで下さい。
これからの旬は、葉物野菜では、白菜、ほうれん草、水菜で、根野菜はやさつまいも、里芋、蓮根、白ネギ、大根、ごぼう、などです。
こうやってみてみると、お鍋の季節ですね。気温も徐々に下がり始め、暖かい物が欲しくなってきました。
いつもの思考パターンから、心も身体も変化を迎えています。
自然が織りなす、食文化を是非お楽しみ下さい。