「ちょっと見て!事故。今さっきあったみたいよ」とお風呂に行く途中で娘が私に語りかけました。
私の自宅からお風呂場までは車で10分程の距離です。
夕食を終えてから夜、毎日通っているのですが、広い二車線の田舎道で警察が来ており、人々が右往左往していました。
「大したことがなければいいけど」と思いながら停車している白い車を見ると、我が家と同じ車種のワンボックスカーでした。
右側のバンパーががっしりと破損しており、かなりの衝撃だったことが伺えました。
普段この田舎道は車の往来も少ないため、どんな運転をしていたのだろうと不審に思っていました。実際、今も私の車以外にこの事故現場を見ている車はありません。
ゆっくりと車を走らすと、事故現場から30メートル先には赤色灯を焚いた警察官がいます。
「あぁ、ここが事故現場だったのか。現場検証しているのかな」とよく見ていると、娘が「ぎゃー!」と叫びました。
私もその叫び声とともにゆっくりと徐行しながら見ると、そこには大関ほどの横幅がある猪が道路に横たわっていました。
おそらく車との衝突で即死だったのでしょう。
猪の鼻先は、うちのチワワの頭ほどもある巨大なものでした。鹿にはお風呂に行く途中で遭遇してヒヤッとブレーキを踏むシーンは何度かありましたが、まさか猪までも飛び出してくるとは。
さぞかしドライバーの方も驚かれたことでしょう。
人身事故でなくて本当によかったと、ほっと胸をなでおろしました。
と同時に、あの車はきっと廃車になるだろうなと思いながら、車両保険に加入していればいいのにと、他人の懐具合を心配する私です。
とはいえ、夜の田舎道、今までほとんど車で出なかったのですが、今ではせっせとお風呂通いする毎日。
私たちも気をつけないといけないなぁと、ゆっくりと通り過ぎるのでした。
ほんま、田舎アルアル。