「先を見据えることで、道を誤らない。」
この言葉の重みを、私は骨身に染みて理解することになりました。
昨年10月、何の変哲もない平坦な下山路で、私は木の根っこにつまずき、左手首を骨折するという痛い経験をしました。
この一瞬の不注意が、その後の10ヶ月以上にわたって私の生活に影響を与えることになるとは、その時は想像もしていませんでした。
事故の三つの要因
振り返ってみると、この事故には三つの要因がありました:
- 体力の限界: 疲労が蓄積し、余裕がなくなっていました。
- 見栄と無理: 友人と一緒だったため、ペースについていこうとしたり、迷惑をかけまいと無理をしていました。
- 近視眼的な視点: 目の前のことに集中しすぎて、進む方向を見ていませんでした。
下山時の危険性
山登りでは、意外にも下山時の方が怪我のリスクが高まります。その理由は単純です:
- 登りでは慎重に一歩一歩進みますが、下りでは反動でスピードが出やすい。
- 体力の消耗により注意力が散漫になりがち。
足が思ったほど上がらず、小さな障害物に気づかないことも。
最悪の場合、滑落や頭部の怪我、私のように手首の骨折といった深刻な事態に陥る可能性があります。
人生という長い道のり
この経験は、人生にも通じると気づきました。私たちの日常生活も、ある意味で「登山」の連続かもしれません。
時間やお金に余裕がない時
睡眠不足や健康状態の悪化時
こういった状況下では、判断を誤りトラブルに見舞われやすくなります。まるで、疲れた体で急いで下山しているかのようです。
先を見据える重要性
経験豊富な登山仲間から
「下山時には少し先を見て、障害物がないかどうか確認する余裕が必要だよ。」とアドバイスされました。
この言葉を身体で理解するのに10ヶ月もかかってしまいました。
骨折後の治療、肩こりや五十肩などの二次的な問題、そして今なお完治していない手首。これらすべてが、あの一瞬の不注意の代償です。
日常生活への応用
人生の時間の使い方も同じです。今を生きることは大切ですが、同時に少し先を見据えることで、大きなトラブルを回避できるのです。
例えば、夜更かしして今を楽しむ。それ自体は悪いことではありません。しかし、少し先の未来を意識することで、本当に必要なことかどうか、より良い判断ができるはずです。
小さな意識の変化が人生を変える
遠い未来を完璧に描くことは難しいかもしれません。
しかし、ほんの少し先を見ることで、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。それは登山でも、人生でも同じです。
ほんの少しだけ意識を先に向けてみませんか?
目の前のことだけでなく、ほんの少し先を見る習慣をつけることで、あなたの人生はより安全で、より充実したものになるはずです。
「先を見据えることで、道を誤らない。」
あなたの人生という長い道のりを、安全に、そして豊かに歩んでいってください。