「あんな〜、綺麗になりたいとか、お金持ちになりたいなんて、誰でも思っているけど、なんで皆んな、なれへんにゃろ…」と、おもむろにガネーシャにたずねた。
「それはな〜、どのくらい思っているかや?ねん。
自分ら見ていると、何を始めるにしてもやり方が『中途半端』やねんな。せやからマスターできひんねん。
何かをマスターしたいと思ったらな、空いた時間は全部そのために使うくらいの勢いでいなあかん。極端やと思うかもしれへんけど、むしろその『極端さ』が必要やねん。
そういえば、昨日、なんや〜ウオーキング習いに行っていたらみたいやなぁ〜
ただ、歩くだけやのになんで習いに行くんや?
よ〜考えてみ。」
「え〜っと、歩き方が綺麗になったら素敵やん。かっこいいし。姿勢もきれいになるから、絶対ええやん」
そうすかさず切り出すと、
「そう思ったらなんで毎日しいひんねん?!」
「いや〜、結構慣れていないと、大変やし、忙しいとそういう意識すぐ忘れますねん。」
「あのね〜。」呆れて、 ガネーシャが私の顔を見上げた。
「そ、そやから…。やっぱり人間はすぐ忘れる動物やから、ちゃんと身につけようと思って月に一回行ってますがな。」
「あのね…」呆れながら、おもむろに叫んだ。
『ブラックガネーシャ三大法則その3』
空いた時間のすべてを使う
ほんまにマスターしたいと思ったら、空いた時間のすべてを使うつもりでいないと、絶対あかん。
要するに、そのような環境に身を置くちゅうことやね。
そうしないと、何もかもが中途半端で終わって身にも付かなければ、自信もつかへん!
だから、あんたは、フツーのおばさん。フツオバさんなんや!
ええか、あんたみたいな人がウジャウジャこの世の中にはおるんや〜。
ここで、なんで、今でも英会話やダイエットが流行るかわかるやろ〜。自分と同じこと思っている人がいっぱいおって、いつも、手をつけたけど、なかなか続かへんにゃ〜。
そやから、勝手に理屈こねよる。
この勉強法はあっていないとか、このダイエットはちょっと無理って…
テメーら、ええ加減にせ〜。おいおい、この桜吹雪が目に入れね〜か!」
と、言ってガネーシャは、肩から袖を脱ぎ始め、背中に描かれた桜吹雪を私に見せた。
「ガネちゃ〜ん、東山の金さんですか〜?
ちょっと古すぎて、読者わかりませんで〜。
しかも、桜、散ってますやん…。
あかん、サクラ、チル…。縁起でもない!」
そう言って、私は、さっさと眠りについた。
明日も、仕事頑張るべ〜!